カメラの位置による見え方の変化ですが、まず高さによる変化があげられます。
このカメラの高さはとても重要です。
とりあえず触れずにきましたが、
カメラの高さで横に引いた線は水平線となります。
カメラからまっすぐにものを見ている時、その
視線は地面と平行になっているからです。
これも重要なことなので覚えておいてください。
では、次のような配置の物体で考えていきましょう。
これを@〜Dのカメラの高さで見ていきます。
すると、こんな感じになります。
当たり前ですが、全く見え方が違いますよね。
カメラの高さは、構図が決まればそんなにズレないとは思いますが
絵を描いていてよく分らなくなった時は
「どこから見ているのか?」が決まっていれば
そこに立ち戻れば解決できると思います。
対面してキャラとしゃべっている時は、人の目線とカメラの高さを合わせてみたり
説明的なシーンではカメラを上に位置させて全体を見下ろしてみたり、迫力を出したいときには
カメラを下にして見上げてみたり等、先にカメラを考えておくと演出もよくなると思います。
あと、一つ小技的な注意なんですが、あまりA、Cのような物体の上面と水平線が重なる構図は
とらないほうが無難です。
本来2本で表わされる線が1本になってしまうので背景としての説得力が薄れてしまいます。
この
物体との距離で見え方にどのように差が出るかはちょっと難しいです。
直感的には大きく見えるか、小さく見えるかの差と捉えられるでしょうが
演出面からみると、それだけでは圧倒的に不足です。
カメラが物体に近い場合、物体を動かすとものすごく動いたように見えます。
逆にカメラが遠いとささいな変化は見えません。
これを表すため、
カメラが近いときはパースを急に、遠いときは緩やか、に描きます。
いわゆる『広角』と『望遠』になります。
この使い分けができるようになると演出の幅がぐっと広がります。
これもまた先ほどの物体を@、Aの距離から見て比べてみたいと思います。
で、こんな感じになります。
広角は手前のものがぐわっとカメラに迫ってくるので、迫力の欲しいシーンに使えます。
望遠は逆に落ち着いている感じなので、説明的なシーンなどに向いてます。
人間がものを見ている時、
人間の目というカメラ、つまり現実的な見え方は
割と望遠なことが多いです。
なので、普通の感覚で背景絵を描くとそこそこ望遠のものになりやすいという面があります。
組み立ての説明書の絵などはパースがついていないことすらありますし
私たちにはこの望遠のほうが広角に比べて何かと馴染み深いです。
逆に、広角の絵を描こうとパースを急角度でつけると自分の視界と異なることによる違和感が生じるため
おかしいと感じてしまうので広角の絵は描きづらいです。
@の図のBの下の辺の傾きなんて明らかにおかしく見えませんか?
迫力のあるシーンを作る時には広角を意識しつつ、(変な話ですが)自分を信じて最後まで
描き切るのがいいと思います。